2022/11/08

土は生命体

下記、土壌微生物と植物の共生関係について描いた動画です。おそらくこれはほんの入り口に過ぎず、もっとさらにおもしろい世界が拡がっているはず。私もまだまだ全体像の把握はできていません。



植物はどうして成長していくことができるのか?それには根圏細菌と菌根菌糸、さらには土壌昆虫との共生関係抜きに語れません。

農薬を気にする人は多いですが、化学肥料を気にする人はそんなに多くありません。また、動物性肥料を気にする方はさらに減ります。そこから窒素を気にする方はまたさらに減ります。

化学肥料や動物性肥料を使えば農薬なしではいれません。なぜ、そんなことが起きるのか?
このビデオを制作したのはオランダで菌根菌や土壌細菌、有機肥料などの農業資材を売るPHCという会社です。広報ビデオと言えるのですが、根圏細菌や菌根菌の働きについてもとてもわかりやすく、このビデオを見ていただくとある程度わかると思います。

是非ご覧ください。
「土は生命体」

よく誤解されているのが「草は土の養分を取ってしまう」というもの。これはおかしい面もあります。逆に草は土に栄養を与える存在でもあるんです。

光合成によって作り出した糖(炭水化物)を土の微生物に与えているんですね。

そして微生物が土壌の中のミネラルを植物に渡す。

だから土を草(いわゆる雑草)で覆うことで土はむしろ豊かになっていきます。しかし、これでは土壌にミネラルかなくなっていく可能性もありますので抜いた草や枯れた草が土に戻ることでもその循環が一部可能になります。

それだけでなく、植物、土壌生物、微生物の共生関係によって植物は病気に強くなる場合があります。

しかし、化学肥料を与えることで植物と土壌微生物との共生関係が壊されます。

そして団粒構造や土壌内での水分保存もできなくなり、土の中に蓄えられた炭素、窒素は空中に移動し、土は栄養を失っていきます。

化学肥料を減らし、この共生関係を取り戻すことで、植物も栄養豊かになり、病気にも強くなり、農薬や化学肥料が必要なくなるのではないでしょうか。

有機農業をすすめている国です。“有機”の定義も難しいところですが。

ただ、デメリットがあります。現在のような大量生産ができません。食糧廃棄の量もすごいですし、農家さんにお金が回らない農業のシステム、政策など色々問題点もありますので議論が必要なところでしょう。

話が脱線しました。

微生物の力を借りて、植物も人間も世代交代を繰り返して生きてきました。皮膚にも、腸内にも存在しており、その力がなければ生き長らえることもできないでしょう。


少し話は変わりまして…
根圏細菌は植物に窒素やリン酸など植物の生存に不可欠の栄養を提供するだけでなく、植物を病原菌の攻撃から守ります。

しかし根圏細菌は動くことができません。一方、菌根菌糸は根が入り込めない地下の微細な部分にも入り込み、植物に必要なミネラルを提供していくだけでなく、動けないものたちをつなぐ地中のネットワークを提供します。

根圏細菌はバクテリア、菌根菌はキノコの一種です。

植物が提供する糖が微生物すべてのエネルギーとなります。この上記のような活動により、大気中の二酸化炭素は地中に炭素として蓄えられ、地面に有機質が蓄えられます。
しかし、化学肥料の大量投入により、この循環が止められてしまうわけです。そうすると病気、害虫の被害が出て農薬が不可欠となり、その農薬は土壌微生物を減らしていく可能性もあります。

化学肥料がもたらす問題は農薬使用を招くだけではありません。環境問題にも発展します。使用される化学肥料でもっとも量の多いのが合成窒素肥料です。

土壌細菌が生きられる環境では根粒菌が直接、植物の根に共生し、植物に窒素を提供してくれます。その窒素は植物に直接適量が吸収される。ところが化学肥料で窒素を提供した場合、作物が窒素を過剰摂取したり、あるいは吸収されないものは水で容易に流されてしまいます。異常なほどの大雨では特に。

世界でも水道水などを地下水に依存する地域では地下水に流入する硝酸性窒素は大きな問題です。(日本は飲み水に地下水を利用していません。)
体内で発ガン性物質を生成する恐れが指摘されており、水道に含まれる硝酸性窒素を引き下げることが大きな問題になっている国もあります。

この硝酸性窒素は簡易な浄水器では除去することができない。その浄化には巨額が必要になるので水源に流れ込む硝酸性窒素を減らすことが妥当になってきます。流れ込む経路はやはり化学肥料がかなり大きいようです。

この硝酸性窒素が川・湖・海に流れ込み、藻類ブルームを発生させ、魚たちが酸欠で死んでしまいます。米国の農場から大量の硝酸性窒素が流れ込むメキシコ湾では生物が生きられないデッドゾーンが拡大しているようです。

水体系だけではなく、この流れ出た窒素は窒素酸化物として空中にも移動します。こちらについてはどれほどの被害かはわかりません。
農耕地土壌からの温室効果ガスの排出抑制と作物生産

沖縄県立宮古農林高等学校「宮古島の命の源である地下水を硝酸態窒素の汚染から守る保全活動」

カリフォルニアのセントラルバレーでの41%の窒素酸化物は化学肥料が原因であるという研究(英語)

こういった分野の専門家でさえ、おそらく完全に把握することは難しいと思います。人間基準(ビジネス)を優先して環境面を無視もしくは的外れなことをすれば、生物には必ず影響が出ます。しかし、人間はそういうことを繰り返して文明を発達させてきました。
その恩恵は私も含めて誰しもが受けてきました。

方向性を決めると言っても、0か100を選ぶわけではないはずです。妥当な範囲を探して選択をすることが課題。

世界にとってこういった食、環境問題は世界レベルで避けては通れない問題です。

私も微力ながら、手の届く範囲でできることをしていきたいと思っております。
その一つ目の行動がこちら↓↓